この記事はタックスヘイブンとは何か?を書いた記事の続きです。
前回の記事忘れたわ!って方の為におさらいしておくと、
- タックスヘイブンは税金が限りなく低い、または0の租税回避地を指す
- タックスヘイブンに子会社を建てる事でその分の資金が節税対象となる
- タックスヘイブンには秘密保持という鉄の掟がある(情報が漏れない)
- タックスヘイブン自体は他国からの登記代などで利益を得る
このあたりを抑えておけばOKでしょう。
今回の記事では、このタックスヘイブンでの租税回避に対して、
そんなん見逃さへんで!
という国の対策について書きます。
その名もタックスヘイブン対策税制。
ナベ
タックスヘイブン対策税制とは?
タックスヘイブン対策税制は、タックスヘイブンに子会社を建て資産を移した場合でも、
その資産を本国分と合わせてちゃっかり課税対象にするという制度です。
日本では、外国子会社合算税制と呼ばれることもあります。
嫁
ナベ
タックスヘイブン対策税制は、以下の条件が満たされる場合は除外されます。
外国子会社等が、以下の全ての条件(適用除外基準)を満たす場合には、会社単位での合算課税の対象とならない。事業基準(主たる事業が株式の保有等、一定の事業でないこと)実体基準(本店所在地国に主たる事業に必要な事務所等を有すること)管理支配基準(本店所在地国において事業の管理、支配及び運営を自ら行っていること)次のいずれかの基準(1) 所在地国基準 (主として本店所在地国で主たる事業を行っていること)※ 主たる事業が下記以外の業種の場合に適用(2) 非関連者基準 (非関連者との取引割合が50%超であること)※ 主たる事業が卸売業、銀行業、信託業、金融商品取引業、保険業、水運業、航空運送業の場合に適用参考元:財務省
島田&アソシエイツ国際税理士事務所さんのHPにわかりやすいフローが載っていたので紹介します。
改正前
改正後
ちょっと難しく僕も全部は理解してませんが、
年々厳しくなっていると言うことでしょう。
タックスヘイブン対策税制を取り入れている国はどこ?
嫁
ナベ
タックスヘイブン対策税制はG20をはじめ、経済開発協力機構に加盟している40カ国ほどが取り入れています。
G20とは、G7と呼ばれる主要国首脳会議に参加する7カ国とEUとロシアと新興国11カ国を含めた20カ国からなるグループです。
経済開発協力機構は、国際的な経済全般について協議することを目的とした国際機関です。
Organisation for Economic Co-operation and Developmentの頭文字をとってOECDと呼ばれています。
OECDへの加盟を視野に入れている国は少しずつ増えており、
発足当初は20カ国だけでしたが今は35カ国ほどにまで増えています。
タックスヘイブン対策税制が厳しくなるだけでなく、対策税制を行う国も年々増えているということですね。
ちなみにタックスヘイブン対策税制が適用されるのは、法人税が0または20%以下の場合です。
シンガポール(17.0%)、香港(17.0%)、台湾(16.5%)などが対象となります。
ナベ
タックスヘイブンのブラックリストとは?
タックスヘイブンに関しては、OECDが定めた判断基準があり、これに該当しない場合は有害税制リストに載ってしまいます。
これが通称ブラックリストと言われており、国が認めた租税に非協力な国とされてしまいます。
金融やサービスなどの所得に対して無税または多目的にしか課税していない。
かつ、以下のいずれかに該当する場合
- 他国と実行的な情報交換をしていない場合
- 税制などが不透明である場合
- 金融やサービスにおいて、自国や地域で実質的な活動が要求されていない場合
タックスヘイブンのWikiを見ると、税基準を満たす約束したが実施が出来ていない国などもあるらしく、
限りなくブラックに近いグレーリストな国もたくさんあるようです。
国際的に認められている税基準を約束したが、実施が十分でない国・地域
タックスヘイヴン
- アンドラ/Andorra
- アンギラ/Anguilla(英国領)
- アンティグア・バーブーダ/Antigua and Barbuda
- アルバ/Aruba(オランダ領)
- バハマ/Bahamas
- バーレーン/Bahrain
- ベリーズ/Belize
- バミューダ諸島/Bermuda(英国領)
- イギリス領ヴァージン諸島/British Virgin Islands
- ケイマン諸島/Cayman Islands(英国領)
- クック諸島/Cook Islands
- ドミニカ/Dominica
- ジブラルタル/Gibraltar(英国領)
- グレナダ/Grenada
- リベリア/Liberia
- リヒテンシュタイン/Liechtenstein
- マーシャル諸島/Marshall Islands
- モナコ/Monaco
- モントセラト/Montserrat(英国領)
- ナウル/Nauru
- オランダ領アンティル/Netherlands’ Antilles
- ニウエ/Niue
- パナマ/Panama
- セントクリストファー・ネイビス/St. Kitts and Nevis
- セントルシア/St. Lucia
- セントビンセント・グレナディーン/St. Vincent & Grenadines
- サモア/Samoa
- サンマリノ/San Marino
- タークス・カイコス諸島/Turks and Caicos Islands(英国領)
- バヌアツ/Vanuatu
その他の金融センター
- オーストリア/Austria
- ベルギー/Belgium
- ブルネイ/Brunei
- チリ/Chile
- コスタリカ/Costa Rica
- グアテマラ/Guatemala
- ルクセンブルク/Luxembourg
- マレーシア/Malaysia
- フィリピン/Philippines
- シンガポール/Singapore
- スイス/Switzerland
- ウルグアイ/Uruguay
参考元:タックスヘイブンwiki
ここにあがっているバヌアツの銀行に関してはADK(Aidos Kuneen)のファウンダーであるドンが少し話していましたね。
ドンの直接発言したテレグラムがみつからなかったので、futabatei(@futabatei)さんのツイートを拝借してます。
ADKドンがBankeraのバヌアツ銀行買収に関して質問受けて回答
・バヌアツは幾つかの銀行がマネロンの温床と見なされて国際的にブラックリスト入りしてる
・総理大臣はブラックじゃないグレーだと釈明している
・そういう国の銀行に口座持って資金入れたら、後で動かすのにとんでもない苦労する
とのこと— futabatei@CryptoGamer (@futabatei) 2018年1月26日
タックスヘイブン対策税制まとめ!
いかがでしたでしょうか?
前回の記事ではタックスヘイブンって節税効果最強じゃん…なんて思ってましたが、
ガチガチに対策を取られているんだなという印象を受けました。
タックスヘイブンについて、租税回避が出来る!という認識が強く広まり、
租税回避=違法という誤った捉え方をしてしまった人が多いんじゃないかと思います。
この記事を読んで少しでもタックスヘイブンについて勉強になったら幸いです。
ネットの情報を整理しながら記事を書きましたが、
誤った情報などありましたら、お手数おかけしますがツイッターのDMにてご連絡頂けると助かります。
すぐに修正致します。
コメントを残す